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2025/04/12 13:16 ~ なし
【リノベで変わる暮らし】日本の既存住宅は断熱が不足?省エネと健康の意外な関係
2025年、省エネの常識が変わる
2025年、省エネ基準に関する法律が改正され、新築住宅は断熱等性能等級4以上が義務化されます。
この等級4は、実は1999年に制定された基準で、長らく日本の住宅断熱の“最高峰”とされてきました。しかし、2022年にZEH(ゼッチ)基準が登場してから、ようやくより高い等級(等級5〜7)が設けられたのです。
とはいえ、国土交通省の調査によると、現時点で等級4相当以上の住宅は全国のわずか10%程度にとどまっています。つまり、90%近い住宅が省エネ性能の基準を満たしていないというのが現状です。
日本の断熱性能は、先進国の中で最低レベル?
実はこの等級4、世界と比べてもかなり低い水準です。たとえば東京の基準地域(6地域)のUA値は0.87W/㎡・K。これは、断熱性能を示す指標の一つですが、イタリア・ドイツ・イギリス・カリフォルニア・韓国などの断熱基準と比較すると最も低い水準にあります。
例えば、ドイツでは0.28〜0.40、イタリアでは0.34〜0.46程度が標準的。日本の**北海道などの寒冷地(1〜2地域)**でようやくそれらの国に匹敵する断熱性能となります。
つまり、日本の多くの地域では断熱性能が世界標準よりもはるかに遅れているという事実が浮き彫りになります。
断熱不足は「脱炭素」だけの問題ではない
断熱と聞くと、「省エネ」や「脱炭素社会への貢献」という環境面ばかりに注目されがちです。しかし、それだけではありません。実は、健康や暮らしの安心にも深く関係しているのです。
●ヒートショックによる死亡者数と断熱の関係
国土交通省の調査によれば、ヒートショック(急激な温度差による心疾患など)で亡くなる人の数は北海道が最も少なく、茨城県など北関東地域が最も多いという結果があります。
これは、北海道の住宅がもともと高い断熱性能や二重サッシの普及により、室内の温度差が少ないことが一因と考えられています。
●断熱リノベで血圧も下がる?
さらに、国交省と医療機関の共同調査では、住宅の断熱改修を行った後、平均3.5mmHgの血圧低下が見られたという報告があります。
これは、厚生労働省が「血圧が4mmHg下がると年間約1万5,000人の脳卒中・心筋梗塞による死亡を防げる」とする統計とも一致しており、断熱性能の向上が命を守る可能性さえあるのです。
また、感染症や風邪の罹患率も低下したという研究報告もあり、住宅の断熱は健康に直結する“インフラ”だといえるでしょう。
「省エネ」と「経済」の意外なつながり
日本はエネルギーの多くを海外から輸入しているため、冷暖房効率の悪い住宅で光熱費をかけすぎると、そのお金は海外に流出することになります。
たとえば石炭はロシアに、石油は中東に多くを依存しており、断熱不足=エネルギー浪費=国富の流出という構図が成り立っているのです。
言い換えれば、住宅の省エネ性能を高めることは、家庭の光熱費削減だけでなく、国の経済や外交にも直結しています。
これからの住まいには「断熱リノベ」が不可欠
住宅の断熱性能は、いまや「快適さ」や「節約」だけでなく、「健康」や「国の未来」にも関わる重要なテーマです。
これからの住宅は「省エネ等級4が最低ライン」。それ以上の性能を持つ住まいを新築・リノベーションで選ぶことが、未来のスタンダードになります。
✅まとめ:今こそ、断熱リノベで暮らしと未来を変えよう
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省エネ性能は世界基準に比べて日本は遅れている
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健康・医療費削減にもつながる断熱性能の改善
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光熱費削減だけでなく、国富流出の防止にも寄与
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2025年からは、省エネ法改正で断熱の意識が加速
断熱性能の向上は、家族を守り、地球を守り、財布にも優しい選択です。「断熱リノベ」で未来の暮らしを見直してみませんか?